居場所を求めて
こんにちは、スタッフあかりです。
いま、こんな本を読んでいます。
「居るのはつらいよ~ケアとセラピーについての覚書~」
著者:東畑 開人 医学書院
この本は、日本の臨床心理学者、臨床心理士・公認心理師である著者がデイケア施設で実際に働くなかで体験したことを元に書かれています。
専門的な内容が難しい言葉で書かれていると、シロウトの私はムズカシクて読むのがイヤになるのですが、この本は、心に重傷を負った人が生活するデイケアでのお話が物語となって進んでいくので、とても読みやすく、たくさんの気づきがありました。
読みはじめてすぐに出てきた、この本のテーマでもあるキーワードが「居場所」。
「居場所」は「ゐどころ」
なんとなく居心地が悪くて居場所がないなぁ、と感じること・・・あります。
そして、そんな時って自分だけが居場所が悪くて、そんな自分がまわりとうまく順応できていないのかなぁと思ったりもします。
でも、この本を読んでいて、きっとどこにいてもどんな人でも、居心地の悪い場所はあるし、ということは、自分にとって居心地の良い場所もあるんだから、そこが自分のホームになったらいいんだなと思いました。
文中にこんな文章がありました。
―――「居場所」を古い日本語では「ゐどころ」と言ったらしい。「虫の居所が悪い」の「ゐどころ」だ。おもしろいのは、この「ゐどころ」の「ゐど」には「座っている」という意味があり、さらには「尻」という意味があったことだ。居場所とは「尻の置き場所」「とりあえず、座っていられる場所」。―――
へえぇぇ~。
そういえば、子どもの頃父親がお尻のことを「おいど」と言っていたのを思い出しました。
なんでお尻がおいどなのか、さっぱりわかりませんでしたが、語源はここにあったんですね。
それはさておき、「居場所」が「とりあえず座っていられる場所」というのは”なるほど~“です。
はい、居心地が悪い場所って、何もせずにじっと座っているのがキツイです。
意味もなくトイレに行ってみたり・・・。
スマホ触るとか本を読むとかがないと落ち着きません。。。
自分が自分らしく居る場所「居場所」って大切なんですね。
自然の中に居場所がある
先日、牧野リトリートフィ-ルドの畑の様子を見に行きました。
その日は比較的暖かい日ではあったのですが、それでも、吹きさらしの平地にいるとかなり冷えますので、たまに焚き火で暖をとりながら♪
一面が畑、遠くの山まで見渡せる少し高いところに牧野リトリートフィールドはあります。
空では雲が少しずつ形を変えていて、それをずーっと見ていると、心にスーッときれいな空気が入ってくるような不思議な感じがします。
「あぁ、何となく、この畑にいると、心と体の疲れが流れていっている気がするな~」そんな感覚です。理屈ではなく、「居る」だけで心がラクになるような感じです。
自律神経がととのう空間
以前のブログ「自律神経失調症とセロトニン」でもご紹介したのですが、多忙な毎日やストレス過多により自律神経のバランスが崩れてしまうと、心や体にいろんな悪影響が出てきてしまいます。
そんな、自律神経が乱れてしまったときに効果的なのが、
①太陽を浴びること ②ウォーキングなどの運動 ③達成感を覚える作業
ですので、畑で体を動かすことは心と体のバランスを中庸に保つのに最適なのですね。
日常生活の中で、「なんかしっくりこないなぁ」「いつもの場所に居場所がないと感じてしまう」など、心と体のバランスを崩してしまってると感じたら、自然の中に身を置いてゆっくりするのもおすすめです。
家にいるときも、庭で家庭菜園をしてみたり、プランターでお野菜を育てたりするのもいいですね。
野菜の育つ過程を日々見ていると心から喜びを感じますし、土を触っていると安心感に包まれたりします。
自然の中にいると、普段は考えつかないような直感が働いたりしますので、それを楽しみながら疲れた心と体のバランスをととのえるのもいいですね。